雪も宜し香
2013年12月18日 (水) | 編集 |
年末に向けて冬も本番を迎え、大雪のニュースも聞かれるようになりました。
ただでさえ出不精な私は、家は元より布団から出るのすら嫌な日々。
特に今年は預かり犬が居ない分、暇な割りに何もする気にならず、ダラダラと過ごしています。


<ダラダラの参考例>

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そんな中ではありますが、先日は今年最後の香道のお稽古へ。
毎月、季節に合った組香を2種類行いますが、12月は「当座香」と決まっています。
当座香は、答えを歌で読まねばならないのですが、これについては以前も紹介した事があるので、今回はもう一つの香組「雪も宜し香」をご紹介します。
とても風情のある素晴らしい組香なのです。


DSC_1051.jpg


組香は昔から伝わる古い物もありますが、新しく作られる組香もあります。
組香を作る時は、「証歌」という歌になぞられて作るのが基本です。
如何に面白く、センスの良い組香を作るか・・・これがとても難しく技量が問われる所なのです。
「雪も宜し香」の証歌は、

「くむ酒は これ風流の眼(まなこ)なり
    月を見るにも 花を見るにも」



出される香木は、

一  雪  窓の雪  二
二  月  夜半の月 ウ
三  花  中空   一

ウ一 酒  灘の水  花一
ウ二 風流 賎ヶ家  三
ウ三 眼  大庭   花二


これだけ見ると暗号のように見えますが、上から説明すると「1番目は雪で『窓の雪』という羅国」という意味です。
羅国と言うのは香木の種類で、香木は持ち主によって名前が付けられるため、今回は「窓の雪」という名の羅国が使われています。
ご覧いただいて分かるように、香木も組香に合った名前の物が使われていますが、名前はその香木の出所や由来にちなんだり、香りに合う名前が付けられています。
つまり、これだけの種類の香木を持っている事が大前提。


(↓ 先日、お香会が行われた根津美術館)

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さて、この組香は上段と下段で二組に分かれています。
まず最初に全ての香木の香りを聞いた(嗅いだ)後、それぞれの組を混ぜ合わせ、上段から一つ、下段から一つと組み合わせながら焚いていきます。
どれとどれが組み合わさったかは分からないので、それを当てるのがこの組香なのですが、これは二つで一つの答えを出す「二注聞」というやり方なので、少し当てるが難しくなります。

その答え方も、ただ「雪、酒」と答えるのではなく、「聞の名目」といって答え方が決められています。
例えば、雪と酒がでたら「窓の雪」。
月と風流がでたら「夜もすがら」と言った具合。
もちろん、これも組香を作る方が考えるので、そのセンスが問われます。
「雪も宜し香」は聞きの名目も素晴らしいので、ご紹介しましょう。

雪と酒  窓の雪
月と酒  名月や
花と酒  梅の花

雪と風流 転ぶ
月と風流 夜もすがら
花と風流 短冊

雪と眼  風流
月と眼  兎
花と眼  一望千里


う~ん、どれも風情があって、何とも絶妙な作りだと思いませんか?
花と酒で「梅の花」というのも、雪の中に咲く梅の花が目に浮かびますし、月と眼で「兎」というのも、遊び心があります。
こうした事を全て考え、緻密に計算してひとつひとつに繋がりを持たせ、全ての点で楽しめる組香こそが真髄で、作者の知識や教養、センスが絶賛され、後世に残っていくのだと思います。


DSC_0907.jpg


そんなこんなで、一時、雅の世界で遊んだ凡人は世知辛い俗世に舞い戻り、師走の慌しさに負われるのでした。
まずは、年賀状の準備をしないと。
今年はどの写真を使おうかな・・・。


柴丸014-1


取り合えず、これは却下、と。
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2013/12/18 00:28 | ワタクシ事 | Comment (0) | Top▲
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