優性遺伝と劣性遺伝
2008年06月21日 (土) | 編集 |
突然、こんな話でなんですが、遺伝子には優性遺伝子と劣性遺伝子と言うのがありますね。 ソラマメの実験で有名なメンデルの法則に出てきたヤツです。 時々、劣性は何か劣ったもの(例えば、先天性の病気や形質異常など)の遺伝子で、優性は良いものが現れる遺伝子と思われている方がいらしゃいますが、そうではありません。 簡単に言えば、形質として現れやすいのが優性遺伝子で、現れにくいのが劣性遺伝子です。


Key5Image1.jpg
 「3日でわかる遺伝子」(ダイヤモンド社)より

例えば血液型で優性遺伝と劣性遺伝を見てみると、A型にはAA型とAO型があり、B型にはBB型とBO型があります。 AO型は、A型の遺伝子とO型の遺伝子を持っていますが、形質として現れるのはA型になります。 つまり、A型が優性でO型が劣性です。 同じように、B型とO型でもB型が優性でO型が劣性となりますが、別にO型が何か劣っている訳ではなく、単に表現として現れてこないだけです。

これは遺伝学の基礎の基礎ですが、こんな事も知らずに犬の交配を行おうとする人達がいたのでちょっと書いてみました。 何を言いたいかと言うと、自分の犬が現状健康であるからと言って、健康な遺伝子を持っているとは限らないという事です。 病気や形質異常の遺伝子を持っていても、その遺伝子が劣性でたまたま現れていないだけで、交配相手が同じように劣性の遺伝子を持っていれば、上の図からも分かるように4分の1の確率で病気や異常を持った子が生まれます。(上の図のOO型に当たります。)

純血種の犬は人間が作り出してくる上で近親の繁殖を繰り返した為、例えそれが劣性遺伝子だったとしても、お互いが同じ劣性遺伝子を持ち、結果として子犬が遺伝病を発症してしまう可能性が高いのです。 「雑種は丈夫」と言われるのはお互いの遺伝子が大きく異なる為、こうした劣性の遺伝病が発症しないからというのも理由のひとつです。

ダーウィンの「種の起源」から、青目の猫に難聴が多いのは知られていました。 目の色や体毛の色はメラノサイトと呼ばれる色素細胞によって作られていますが、色がないという事はメラノサイトが分布していないということになります。 そして、メラノサイトがないという事は、様々な感覚器の元となる神経堤細胞がない。 要するに、毛色や目の色と先天的障害は、とても関係が深いのです。 ダックスフンドは色々な毛色があり、毛色によって交配させていい色といけない色が決められているのですが、それはこうしたメラノサイトの分布を目安にしていると言えます。 生物学的に言えば、色が薄いほど弱く、危険性を秘めています。 「青い目のシルバーダップル」は高い確率で先天性の異常を発生しますが、市場の人気が高いので悪徳ブリーダーはこぞって交配させ、外見的に問題のある犬は市場に出る前に殺されてしまいます。

私は犬のブリーディングは知識を持ったプロが管理するものであり、たとえ自分の犬であっても、素人が手を出してはいけないと思っています。 他にも理由は色々ありますが、それが犬の為でもあり、結果的には人間のためなのではないでしょうか。


スポンサーサイト


命を繋ぐ赤い糸を結ぶため、1クリックにご協力をお願いします。→ 

2008/06/21 23:40 | その他犬関係 | Comment (6) | Top▲
コメント
この記事へのコメント
その通り!!
分かりやすく図を用いて説明していただきありがとうございます!

毛色が薄い子を好む日本人のニーズに合わせて、してはいけない組み合わせで交配をし、珍しい毛色だからと高値がつき、高いお金を出して飼っても2年と生きられないかもしれません。

一般の人は遺伝疾患の子が生まれるかもしれなという覚悟を持って交配している人なんていないだろうし、業者は生まれてきたらしょうがないくらいにしか思っていない。

もし自分の愛犬が産んだ仔犬が半分溶けた状態で生まれてきたらどうするんですかね?
実際そういう事例だってたくさんあります。

しかも交配って考えているほどいいものじゃない。
自分の力で出産できずに帝王切開になる例も多く、亡くなることもあります。
たとえまともに生まれてきたとしても、可愛がられている愛犬が子育てする確立は低いのが現状で、場合によって食い殺してしまうことだって最近は増えています。

それでも、女の子に生まれた限りは子どもを産ませてあげないとかわいそうなんですかね?

ブまじめに頑張っているブリーダーも多いので、安易な繁殖は絶対にやめて欲しいですね。
2008/06/22(日) 09:57:34 | URL | chie #LGxQMfeo[ 編集]
ほんとにねぇ・・・┐('~`;)┌
chieさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

動物看護士だったchieさんは、現場で色々な犬を見てきたのでしょうね。 防げるはずの不幸が、人間の無知や金銭欲によって引き起こされ、犬達が生まれながらに犠牲を強いられるのはとても心が痛みます。 早く日本でも、法的に繁殖を取り締まって欲しいです。

ただ、近所の人に「子犬を産ませたいのよ~。」なんて言われると、「止めて下さい。」とも言い難いんですよね・・・。f(^^;)
2008/06/22(日) 16:02:22 | URL | おかもと #gfxZCaLQ[ 編集]
勉強になります
いつも楽しく読ませてもらっています。
ステラ母のMEGです。
chieさんからいろいろとステラの事は説明されていて、私自身は理解していたつもりでした。たとえば将来病気になる可能性があるとか、そういう事の覚悟ですね。
ところが実際に我が家に来てみたら、別の事柄に非常に複雑な心境にさせられる事に気が付きました。

たとえば、「珍しい毛ですね~」「可愛い~」とかよく言われます。中には「高いんでしょ?」とかも。
確かに私も可愛いと思ったのが第一印象でしたから、解るのですがステラを連れて歩いていることで「あんな毛色のシェルティが飼いたい!」と思う人もいるだろうなとも思うんです。
その結果、ステラの様な繁殖犬が産まれてしまったり、無理な繁殖で犠牲になる子が産まれたりするのかな・・・と思ったり。
でも、そんな事を考えていくとステラは存在してはいけない事になってしまう。それは違うとも思うし。
だから声をかけられたらできるだけ、ステラの経歴をお話する様にしています。
それしかできないのがもどかしいけれど、伝える事が一番大事な事かと。
何時までも「可哀想な犬だったのね」と言われしまう事になるので、それもどうだろう?ちょっと可哀想かな?
説明しないでも解ってもらえる様な世の中になったらな・・・と思います。
2008/06/22(日) 16:43:52 | URL | MEG #hrNwGVhw[ 編集]
お久しぶりです
 コンニチハ。
裏Dogden(mixi)で時々お世話になってましたヤスコです。
我が家に居たコーギーも、遺伝の病気で3歳8ヶ月という若さで亡くなってしまいました。
その病気は人間が高配させてかかる可能性を作っていたんですね…。
純血種の高配は、ほんとに素人が簡単にやってはいけないですね。
とても勉強になりました。
愛犬が亡くなってから、やっぱり元気が一番、と、雑種が欲しいと思ってしまいますね。
2008/06/23(月) 14:46:20 | URL | ヤスコ #6.e6ZSuY[ 編集]
お久し振りです。(^^ゞ
ヤスコさん、こんにちは。
mixiを放りっぱなしでスミマセンッ。
な~んか、mixiは変なメールばかり来るのでログインする気にもならず、ホッタラカシなんですよ。

ヤスコさんのコーギーちゃんも遺伝病だったんですね。 まだ若かったのに・・・残念です。
安易で無知な交配で、犬も飼い主も悲しい思いをしてしまうのは、何ともやりきれません。
もっと皆が命を扱う事に対して、真剣に考えてくれれば、防げるはずなのに・・。

雑種にも先天的な異常や病気はありますが、純血種に比べると少ないですね。 新しく迎えるワンちゃんには、長生きして沢山楽しい時間を過ごして欲しいです。
2008/06/23(月) 20:01:11 | URL | おかもと #gfxZCaLQ[ 編集]
MEGさん、こんにちは。 コメントありがとうございます。

ステラちゃんがいた所のブリーダーは、ブルーマール犬を沢山作っていました。 多分、珍しくて高く売れたのでしょうね。 その分、先天性の異常を持った犬もいて、眼球が縮小している犬もいましたが、「千葉わん」に保護されて、現在は里親さんの元で幸せに暮らしています。

ブリーダーも商売ですから、出来るだけ人気があって売れるものを作ろうとします。 商売人にとっては、動物の命なんてモノでしかないのでしょう。 ステラちゃんも被害者と言えばそうかも知れませんが、今後、どんな病気になろうとMEGさんの家族として幸せに生きていきます。 犬にとっては不幸な過去より、今現在が全てだと思います。

需要があれば供給が成り立つのが商売です。日本では法的にまだこうした遺伝病の管理や繁殖の制限がなされていません。 まず私達に出来る事は知識を広めることと、勝手な素人繁殖を止めることではないでしょうか。 
2008/06/23(月) 20:13:17 | URL | おかもと #gfxZCaLQ[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する